睡眠に何かしらの不満を感じている人は、年々増加していると言われています。睡眠障害とは言えないまでも、「寝つきが悪い」「夜中に何度か目覚めてしまう」といったことを含めると、大半の方がそんな経験をしたことはあるのではないでしょうか。

安眠を得るために改善しておきたい寝室環境要素とは!

睡眠の課題を生じさせる、最も大きな要因となっているのが『生活習慣』要素です。不規則な生活を繰り返していると、誰しもが安眠を得にくくなるものですからね。

”食生活””生活リズム””安定した就寝時間”など生活習慣を整えることは、心地よい睡眠を得る上で基本となる要素となっています。

その次に、重要な要素となるのが『寝具との相性(寝具環境の良しあし)』『寝室環境』要素となります。

”寝具との相性”に関しては、こちらの記事

体形(体格・骨格・体重)に合わせたマットレスの選び方!

をご参照いただければと思います。

ここでは、睡眠の阻害に繋がる『5つの寝室環境要素』について、お話してみたいと思います。

1)給気口の近くに寝具(敷布団・ベッド)を配置しない。

給気口まず、近年の住宅構造的な要素をひとつ取り上げておきたいと思います。それが

*給気口

の存在です。近年の住宅では、戸建て住宅・マンションを問わず、すべての住宅において「24時間換気システム」の設置が義務付けられています。

居室のすべてに外気を取り入れるための”給気口”が設置されているんですね。給気口のデザインや方式(自然給気、機械式給気)は、いくつか種類がありますが・・。多くの住宅では写真のような給気口(自然換気口)が設置されています。

この給気口は、寝室にも設けられているわけですが、「給気口の位置と寝具の位置関係」によっては、睡眠を阻害する要因となってしまうことがあるのです。

具体的には

*夏場には、蒸し暑い空気が。冬には冷たい空気を直接感じることで、睡眠が阻害される。
*外部の音が聞こえて(うるさく感じて)、睡眠が妨害される。

といったことが生じる可能性があるのです。

給気口を閉じてしまえば、解消されるのでは・・と思うかもしれませんが。給気口は、住宅環境を健全なものとする上で、24時間必ず開放しておかなければいけないものです。給気口を閉じてしまうことは、他に大きな問題を生じさせることとなってしまいます。

給気口が壁の高い位置(天井に近い位置)に設置されているようであれば、影響を受けにくいものとんりますが・・。床面に近い位置及び壁の中間高さに設置されている時には、注意が必要なんですね。

簡単に言うと、給気口の近くに寝具(敷布団・ベッド)を配置しないようにしておくということが、睡眠阻害要素を減らすこととなるのです。

とはいえ、なかなかベッド配置が出来るスペースは限られていたりするもの。そういうときは、少なくとも

*給気口付近に、頭が位置しないような寝具(敷布団・ベッド)の配置とする。

ように心がけていただければと思います。

2)腰窓付近に寝具(敷布団・ベッド)を配置しない。

腰窓床面まで、開放されていない窓のことを「腰窓」と呼んでいるのですが。

寝室に腰窓がある場合、心がけておくと良いのが、「腰窓の近くに寝具(敷布団・ベッド)を配置しない」ことです。

これは、腰窓の下部より、外部からの冷気が室内に伝達。その冷気によって、眠りが阻害されることを防ぐためなんですね。

一般的には、腰窓の場合、写真のような高さでカーテンを設置しますよね。まあ、これが普通ではあるのですが・・。

寝室において、このようなカーテン高さとしていると、通常、寝具(ベッド・敷布団)は、カーテン下端よりも低い位置となるものです。まず、カーテン下端よりも高い高さとなるようなベッドを使うことはないものです。

カーテンの下端には、当然ながら隙間があるもの。そんな窓付近に寝具を配置していると、その隙間から侵入した冷気を直接感じてしまうこととなるのです。これが、睡眠を阻害する要素となるんですね。

とはいえ、先ほどと同じく・・寝具(特にベッド)配置はかなり限定されてしまうものです。(日本においては、広い寝室ではないことが多いので。)どうしても、腰窓付近に寝具を配置しなければいけない状況も少なくないのかもしれません。

そんな時には、カーテンを一工夫。

*腰窓であっても、床面付近まで届く高さのカーテンを設置する

ことで冷気の侵入を防ぐ(感じられないようにする)ことが出来るのです。

特に北側寝室の場合は、腰窓だからと、単純にカーテンの高さを決めてしまうのではなく、寝具配置を考え、カーテンを長めに計画することも、考慮してみていただければと思います。

こちらの記事

建築士が考える。子供部屋の寝具計画(ベッド・敷布団・配置)ポイント!

にも記していますので、併せてご参照いただければと思います。

3)厚みのある敷布団・マットレスの活用!床面からの冷気を防ぐ。

マットレスの厚みこれは、寝室環境といいますか・・寝具環境の要素となりますが。

床面からの冷気を感じることで睡眠が阻害される。

ことがあります。

これは、主に使用している敷布団&マットレスの厚みが足りない(薄い)ことにより、生じる出来事なんですね。

敷布団の場合は、床直置きしますので、床から伝達される冷気を感じることに。ベッドの場合は、ベッド下が空間となっていますので、床面付近にたまった冷気の影響を受けることとなってしまうわけです。

ベッドフレーム上に一般的な敷布団をしいて寝ている人もいるようですが・・夏は問題なくとも、冬は、とても寒さが伝わりやすい寝具環境となってしまいます。

そんな冷気による影響を受けないようにするためには

*ベッドフレーム上に使用するマットレス(敷布団)なら、”厚み15cm”以上のもの。
*床に直置き利用する敷布団・マットレスであれば、”厚み7cm”以上のもの。

を使用するように心がけていただければと思います。

フローリング上に直置きで活用できる人気のマットレス!

上記の記事にて、「厚みの大切性」や「厚みのある敷布団・マットレス」に関して、記していますので、ご参照いただければと思います。

4)寝室に”視線が感じられる人形”は置かないようにしましょう。

人形これは、心理的要素なりますが、案外、潜在意識に影響を与え、睡眠阻害の要因ともなりうるのが・・。

視線を感じる人形の存在

です。人形といっても、様々な作りのものがありますよね。

ここで対象となるのは、「わりと、瞳が精巧に作られた人形」です。単純な線で目が描かれている人形などは、あまり問題とはなりません。

”瞳の存在”が”視線の存在”に繋がるからなんですね。活発に活動している時は、ほとんど問題とはならないものと思いますが、入眠時や睡眠中は、人の意識レベルが低下するものです。

そんなあやふやな意識時に、視線を感じることが睡眠への悪影響として表れるものと感じています。人形は。寝室ではなく、日中活動のための空間に配置するようにしましょう。

5)なるべく南北に近い方向が長手となる寝具(敷布団・ベッド)配置とする。

方位これは、かなり個人差が大きいので、ひとつの参考要素として、聞いていただければと思います。

”電磁波過敏症”という症状が実際にあるように、人によっては、わずかながらも睡眠時に電磁波の影響を受けることがあるのです。

もちろん化学的に証明されているわけではありませんが、地球には地場(磁力線)が存在しており、その地場の影響を受ける可能性があるんですね。電磁波に敏感な人にとっては。

地球の磁場は、”南北方向”に流れています。

ゆえに、睡眠時、”東西方向”に体の長手を向けた(東西方向に沿って寝る)寝姿勢となっていると、電磁波(磁力線)の微かな影響を感じてしまい、睡眠が浅くなりやすいのです。(これは、私の実体験でもあるんですけどね。)

それを少しでも防ぐためには、南北方向に体の長手を向けた寝姿勢をとることが有効なんですね。

まあ、自分自身が電磁波に対して、過敏なのかどうかはなかなか判断できないものと思いますが・・。寝室の寝具配置上、「南北方向を長手とする」ことが可能なのであれば、そのような配置としてみてはいかがでしょうか。

案外、それだけでも、”入眠しやすくなった”・・ということがあるかもしれませんよ。